この記事で解決できる疑問や悩み
- エンジニアを目指しているけど、ITパスポートと基本情報技術者試験どっちを受ければいいか分からない。
- 正直、資格を取る意味が分からない。ITパスポートだけで十分じゃない?
- 基本情報を取った後のキャリアプランが知りたい
当記事は、現役のインフラエンジニアが、ITパスポートと基本情報技術者試験の違いについて解説をします。

日々の業務を遂行する中で、基本情報技術者試験の知識は必要だと感じています。資格を軽視する人もいますが、判断に迷う状況に遭遇した際に、基本情報技術者試験で学習した知識を参考にすることもあります。
記事前半では「ITパスポートと基本情報技術者試験の違い」を解説し、記事後半では「どちらを取った方が良いのか」を論理的に解説しています。
記事を最後まで読み終えることで、あなたがどちらを選ぶべきかの答えが見つかります。
目次
ITパスポートとは?
ITパスポート(略称:IP)は、情報技術の基礎知識を持っていることを証明するための国家試験です。経済産業省が認定しており、IT分野に限らず、ビジネス全般で役立つ知識を身につけるための入門資格とされています。
試験はITの基礎知識に加え、経営戦略、法務、財務・会計などビジネス関連の分野も網羅します。具体的には、コンピュータの仕組み、ネットワーク、セキュリティ、システム開発、プロジェクト管理、ビジネスプロセスが出題されます。

資格を取得することで、企業内でのIT活用や情報リテラシーの向上にもつながるため、幅広い業界で役立つ資格です。
基本情報技術者試験とは
基本情報技術者試験(FE試験)は日本の国家試験で、情報処理技術者としての基礎的な知識と技術を測定するための試験です。経済産業省が認定しており、情報処理技術者としてのキャリアをスタートする際に役立つ資格です。
試験はIT全般の基礎知識を網羅しており、プログラミング、データベース、ネットワーク、セキュリティ、アルゴリズム、マネジメントが含まれます。通年で実施され、午前は選択式、午後は実践的な問題が出題されます。

また、企業によっては、この資格を持っていることが昇進や採用の条件となることもあります。
基本情報技術者試験とITパスポートの違い
基本情報技術者試験(FE試験)とITパスポート(IP)はどちらも情報処理技術者試験に含まれる国家試験ですが、対象者や内容に違いがあります。以下に、これらの試験の主な違いを5つ解説します。
対象者
基本情報技術者試験(FE)は、ITエンジニアやプログラマーを目指す人、またはすでにIT業界にいる人向けの試験です。ITの基礎知識だけでなく、実務に役立つ技術やスキルを測定するため、情報処理技術者としてのキャリアを目指す学生や新入社員が主な対象です。
ITパスポートは、IT初心者や非技術職のビジネスパーソン向けの試験です。ITに関する基礎的な知識を幅広くカバーしており、業務でITを活用するための最低限の知識を証明するため、管理職や事務職、営業職など、IT業界に限らず多様な職種の人が対象です。
試験内容の深さ
基本情報技術者試験(FE)は、プログラミング、アルゴリズム、ネットワーク、データベースなどの技術的な内容が問われます。午後試験ではアルゴリズムと情報セキュリティに関する問題が出題され、実践的な技術の理解とスキルが求められます。
ITパスポートは技術的内容も含みますが、基礎的な理解が求められます。IT全般に加え、経営、法務、マーケティングなどビジネス関連の広範な知識が重視され、専門技術よりも幅広い知識が求められます。
試験形式と難易度
基本情報技術者試験(FE)は、午前が選択式、午後が実務的な問題で構成され、特に午後の試験で技術知識と問題解決能力が求められます。難易度は高めです。
一方、ITパスポートはすべて選択式で、基本知識を確認する内容。範囲は広いですが、深い技術理解は不要で、難易度はFEより低めです。
目的と役割
基本情報技術者試験(FE)は、IT分野の基礎技術を証明するもので、エンジニアやプログラマーを目指す人にとって重要なステップです。将来の上級資格や専門分野での活躍の基盤を築きます。
一方、ITパスポートは、非技術職のビジネスパーソンがITを業務に活用するための基礎知識を証明する試験で、ビジネスとITの橋渡しができる人材を育成します。
資格の価値と業界での評価
基本情報技術者試験(FE)の合格者は、IT企業や技術職の採用で有利になり、昇進や給与アップの条件となる場合もあります。特に、ITエンジニアやシステム開発職を目指す人にとって重要な資格です。
ITパスポート(IP)は、IT初心者や非技術職向けで、技術職採用への直接的な影響は少ないですが、ITリテラシーの証明として幅広い業界で評価されます。管理職や営業職などでは、現代のビジネス環境に対応できる力を示す資格です。
これらの違いを踏まえると、基本情報技術者試験は、IT技術者としての専門的なスキルを求められる資格です。一方、ITパスポートは、ビジネスでITを活用するための基礎知識を証明する資格です。目指すキャリアや必要なスキルに応じて、適切な試験を選ぶことが重要です。
ITパスポートを取った方が良い人
ITパスポートの取得を推奨するのは、情報技術に関わるすべての職業の人々です。特に、ITスキルが必要とされる職場で働く、またはこれから働こうとしている人々にとって非常に有用です。
現代の職場では、IT技術が業務に密接に関わっています。ITパスポートは、基本的なIT知識を証明する国家資格で、ビジネスパーソンとしての基礎スキルを示します。

したがって、ITスキルを基礎からしっかりと学び、職場での価値を高めたい人には、ITパスポートの取得を強く推奨します。
基本情報技術者試験を取った方が良い人
基本情報技術者試験の取得を推奨するのは、IT業界でのキャリアを目指す人や、ITスキルをさらに深めたいビジネスパーソンです。
基本情報技術者試験は、ITエンジニアとしての基礎知識と技術を証明する国家資格です。プログラミング、データベース、ネットワークなどの基本スキルを示し、IT業界でのキャリアアップや高度な役割を担うためのステップとなります。

したがって、IT業界でのキャリアを確実に進めたい人や、業務の幅を広げたいビジネスパーソンには、基本情報技術者試験の取得を強く推奨します。
まとめると、ITパスポート及び基本情報技術者試験を取得したほうが良い人は下記になります。
インフラエンジニアは基本情報技術者試験を必ず取るべき理由
インフラエンジニアを目指すなら、ITパスポートよりも基本情報技術者試験を受けるべきです。
基本情報技術者試験は、ITの基本的な知識だけでなく、プログラミングやネットワーク、データベースといった実務に直結する技術が問われるため、インフラエンジニアにとってより実践的です。

ITパスポートは入門的な資格であるのに対し、基本情報技術者試験は国家試験の一つであり、より高い専門性を示す資格として評価されます。この資格を持つことで、インフラエンジニアとしての信頼性や市場価値を高めることができます。
インフラエンジニアを目指すのであれば、より実践的で専門性の高い基本情報技術者試験を選ぶことで、スキルアップやキャリアの成功に繋がります。
ITパスポートしか持っていなくて、出世している人もいる件
確かに、ITパスポートを取得しただけでも出世している例はあります。その理由は、ITパスポートがITの基本的な知識を網羅しており、特に非技術系の職種においても役立つからです。
ITパスポートを持っていることで、ビジネスとITの両面に強い人材として評価され、昇進やキャリアアップにつながるケースも少なくありません。
しかし、インフラエンジニアとしてより専門的なキャリアを築きたい場合、基本情報技術者試験の取得には大きなメリットがあります。
実践的な技術知識の証明
基本情報技術者試験では、プログラミングやネットワーク、セキュリティなど、より専門的で実践的な知識が求められます。

このような知識は、インフラエンジニアとしての業務に直接役立つため、実務の中で即戦力として活かせるでしょう。
キャリアの選択肢が広がる
基本情報技術者試験を取得することで、より高度なIT資格への道が開けます。
例えば、応用情報技術者試験やネットワークスペシャリスト試験など、さらに専門的な資格に挑戦することが可能になり、キャリアの幅を広げることができます。
専門性の高い評価
ITパスポートは基本的なIT知識の証明ですが、基本情報技術者試験は国家試験の一つであり、より高度な専門性を示します。この資格を持つことで、技術者としての信頼性や専門知識の深さが認められ、昇進や転職時に強力なアピールポイントとなるでしょう。

つまり、ITパスポートでも十分に出世の道はありますが、インフラエンジニアとしての専門性を高め、さらなるキャリアアップを目指すなら、基本情報技術者試験の取得がより効果的な選択となるのです。
まとめ
「基本情報技術者試験」と「ITパスポート」は、どちらもIT分野でのキャリアをスタートさせるための大切な資格です。ITパスポートは、ITの基礎知識を幅広く学べる資格で、初心者や異業種からIT業界に飛び込む方に最適です。
一方、基本情報技術者試験は、より高度な技術やプログラミングの知識が必要で、ITエンジニアとしての基礎を固めたい方に向いています。
どちらを選ぶかは、あなたの現在のスキルレベルや将来のキャリア目標次第ですが、まずは興味を持てる分野から始めることが成功の近道です。自分に合った資格を選び、着実にスキルアップを図ることで、必ず次のステップに進むことができるでしょう。
あなたの一歩が、未来の大きな成長に繋がります。