この記事で解決できる疑問や悩み
- プライム案件の具体的な特徴や内容を知りたい
- プライム案件に参画するメリットを知りたい
- SESでプライム案件を獲得する方法を知りたい
この記事では、SESで勝ち組案件とされる「プライム案件」の詳細について、お話ししたいともいます。

記事を最後まで読むことで、プライム案件の概要やメリットについて理解することができ、プライム案件に強い企業の探し方も知ることができます。
記事前半では「プライム案件に強い企業の特徴」、後半で「プライム案件の探し方やメリット」について解説をします。主に、私がプライム案件に参加した感触を元に、記事を執筆しています。
目次
SESにおけるプライム案件とは?
SESにおけるプライム案件とは、クライアントと直接取引されるプロジェクトのことを指します。中間業者を挟まず、エンジニアがクライアントと直接やりとりできるため、条件や環境が良いことが多いです。
プライム案件は、通常の案件と違って中間に仲介会社がいません。そのため、中間マージン(仲介料)が発生せず、エンジニアに多くの報酬が還元されます。
また、クライアントと直接コミュニケーションが取れることで、仕事の内容や進め方が明確になり、やりがいを感じやすいのが特徴です。

例えば、あなたがSESのエンジニアだとして、A社という企業のプロジェクトに参加する場合を考えてみましょう。通常の案件だと、SES企業→仲介業者→A社という流れになります。
この場合、仲介業者が取引条件を調整するため、エンジニアの意見が反映されにくかったり、報酬が少なくなったりすることがあります。
一方、プライム案件では、SES企業→A社という直接のつながりになります。これにより、プロジェクトの内容や条件がエンジニアにしっかり伝わり、自分の働きに見合った報酬を得やすくなります。
SESにおけるプライム案件とは、エンジニアが働きやすく、スキルを正当に評価してもらえる環境が整ったプロジェクトです。
中間マージンを減らし、直接クライアントとやりとりすることで、より良い仕事と報酬を得られるチャンスが広がります。
プライム案件のメリット
プライム案件は、SESエンジニアにとってキャリアアップや働きやすさの面で大きな魅力があります。クライアントとの直接取引により、スキルを活かしやすく報酬面でも優遇されることが多いです。
この記事では、プライム案件ならではの5つのメリットを詳しく解説し、SESエンジニアが選ぶべき理由を明らかにします。
直接クライアントとやり取りできる
プライム案件ではエンジニアがクライアントと直接やり取りできるため、スムーズな仕事ができます。
間に業者が入ると、クライアントの意図が伝わりにくくなることがあります。直接やり取りできれば、問題があってもすぐに解決でき、仕事が効率的に進むのです。

クライアントと直接やり取りできる環境は、より良い仕事をするために大切です。
報酬や利益率が高い
SESは給料が上がりにくいと言われています。それは、三次、四次などの下請けで働く人が多いからですね。
ただ、プライム案件では仲介業者がいないため、報酬が高くなりやすいです。
通常、仲介業者が入ると、その分の手数料が引かれてしまいます。しかし、プライム案件ではクライアントと直接契約を結ぶため、その手数料がかからず、高い報酬を得られるのです。

報酬や利益率を高めたいなら、プライム案件を選ぶのが賢明です。
スキルアップの機会が豊富
プライム案件では、エンジニアとして成長できるチャンスがたくさんあります。
上流工程(要件定義や設計)からプロジェクトに関われるため、単純な作業だけでなく、全体を見渡すスキルが身につくからです。

プライム案件は、技術力だけでなく、視野を広げる良い機会を提供します。
キャリアアップにつながりやすい
プライム案件での経験は、キャリアアップに大きく役立ちます。
直接クライアントとやり取りしながらプロジェクトを進める経験は、他の企業からも高く評価されます。その結果、転職や昇進の際に有利になります。

プライム案件での経験は、将来のキャリアを大きく後押しします。
キャリアパスについては、インフラエンジニアのキャリアパスをSESで築く方法をご覧ください。
プロジェクトの安定性が高い
プライム案件は、プロジェクトが安定していることが多いです。
クライアントと直接契約を結んでいるため、契約条件が途中で変わったり、突然キャンセルされるリスクが少ないのです。

安定した環境で仕事をしたいなら、プライム案件は魅力的です。
プライム案件を多く持つSES企業の特徴
プライム案件を多く持つSES企業は、他社と比べてエンジニアのキャリアや働きやすさに大きな違いがあります。直接取引による安定性や高報酬が魅力ですが、それを実現する企業には共通した特徴があります。
この項目では、プライム案件を豊富に持つSES企業の5つの特徴を詳しく解説し、選び方のポイントをお伝えします。
クライアントとの直接取引を長年続けている
プライム案件を多く持つSES企業は、クライアントと直接取引を長年続けていることが特徴です。これにより信頼関係が深まり、案件が安定して供給されます。
企業同士の取引では、信頼関係が非常に重要です。長く取引を続けることで、「この会社に頼めば安心だ」という評価を得られます。その結果、クライアントも他の仲介会社を挟まずに、直接案件を発注しやすくなります。

同じように、SES企業が長年信頼されると「このプロジェクトは直接お願いしよう」となりやすいのです。
あるSES企業が大手メーカーと10年以上取引を続けていた場合、このメーカーは新しいシステム開発が必要になるたびに、まずそのSES企業に相談します。「この企業なら間違いない」と思ってもらえるからですね。
長年の直接取引を維持するSES企業は、信頼の積み重ねによってプライム案件を多く確保しています。
技術力が高いエンジニアを多く抱えている
プライム案件を持つSES企業は、技術力の高いエンジニアを多数抱えています。そのため、クライアントに信頼されやすいのです。
技術力が高いエンジニアが多い企業は、クライアントが抱える難しい問題も解決できます。「この会社なら安心して任せられる」と感じてもらえれば、わざわざ仲介会社を経由する必要がなくなります。

たとえば、AI技術に強いエンジニアが多いSES企業は、「AIを使ったシステムを作りたい」というクライアントから直接依頼を受けやすくなります。他の企業が解決できないような課題も対応できるため、信頼が厚くなります。
技術力の高いエンジニアを多く抱える企業は、問題解決能力で評価され、プライム案件を獲得しやすくなります。
プロジェクトマネジメント能力が優れている
プライム案件を多く持つSES企業は、プロジェクト全体を管理する能力が高いです。この能力が評価されて案件を直接任されます。
クライアントは、単に作業を手伝うだけでなく、プロジェクト全体を成功に導けるパートナーを求めています。SES企業がプロジェクトマネジメントを得意としていると、信頼されて「全部お願いするよ」と言われることが多くなります。

たとえば、SES企業が「新しいECサイトの構築」を任されたとします。この企業が、システム設計だけでなく、納期管理や他チームとの連携まで上手に進められると、クライアントは次のプロジェクトも直接依頼しやすくなります。
プロジェクトマネジメント能力が高いSES企業は、全体を任せられる安心感からプライム案件を多く獲得できます。
業界特化型の専門知識やノウハウを持っている
特定の業界に強みを持つSES企業は、プライム案件を多く獲得します。専門知識を活かして他社との差別化ができるからです。
理クライアントは、その業界に詳しい企業に仕事を頼みたいと考えます。専門的な知識がある企業なら、スムーズに仕事が進み、安心して任せられるからです。

たとえば、金融業界のシステム開発に特化したSES企業があるとします。この企業は、銀行や保険会社から直接依頼を受けることが多くなります。金融業界特有の法律やセキュリティ要件を熟知しているからです。
特定の業界に特化したSES企業は、専門性を評価され、プライム案件を安定的に獲得できます。
営業力が強く幅広いネットワークを持っている
営業力が強く、幅広いネットワークを持つSES企業は、プライム案件を多く獲得できます。
営業力があると新しいクライアントを次々に開拓できます。また、幅広いネットワークを持つ企業は、他の企業からも信頼されやすく、直接取引のチャンスが増えます。

たとえば、SES企業の営業担当が大手企業の担当者と長年の知り合いだったとします。その人脈を活かして直接取引を開始し、プライム案件の割合を増やしていくことができます。
営業力とネットワークの強さは、クライアントとの信頼構築を支え、プライム案件の獲得につながります。
プライム案件を多く持つSES企業の探し方
プライム案件を多く持つSES企業を選ぶことは、エンジニアとしてのキャリア形成に大きく影響します。しかし、どの企業がプライム案件に強いのかを見極めるのは簡単ではありません。
この項目では、信頼できる企業を見つけるための具体的な7つの探し方を紹介します。自分に合った環境を見つけ、安定した成長を目指すための参考にしてください。
親会社が大手企業であるか確認する
親会社が大手企業のSES会社は、プライム案件を多く持っている可能性が高いです。
大手企業を親会社に持つと、資金力や信頼性があるため、直接取引がしやすくなります。プライム案件を取れる環境が整っているからです。
たとえば、有名SES企業であるSCSK株式会社の親会社は、住友商事株式会社です。親会社が大手企業かどうかは、会社沿革は株主情報を見ればわかりますね。

画像出典:SCSK株式会社
上記はSCSK株式会社の大株主一覧のページですが、持ち株比率50%に住友商事株式会社の名前があります。
親会社が大手企業かどうかは、プライム案件を持つかどうかを判断する大切なポイントです。
公式サイトで取引実績を確認する
SES企業の公式サイトで取引実績を調べることは、プライム案件が多いかを見極める有効な方法です。
公式サイトには、どんな企業と取引があるのか具体的に書かれていることが多いです。大手企業との直接取引が確認できれば、信頼できる会社である可能性が高まります。

画像出典:SCSK株式会社
上記のSCSK株式会社のお客様事例には、住友商事株式会社の名前があります。
公式サイトは、その企業の実力を知るための重要な情報源です。
求人情報に「プライム案件」の記載があるか確認する
求人情報で「プライム案件多数」や「直請け案件あり」といった記載がある企業を選びましょう。
求人情報は、その企業がどんな案件を持っているかを簡単に知る手段です。プライム案件が多い企業は、自信を持ってそれをアピールしている場合が多いです。

画像出典:indeed
上記は大手求人検索サイト「indeed」ですが、プライム案件で検索すると上記のような案件がありました。
求人情報は、プライム案件が多いかを判断する一つの目安になります。
エンジニアの口コミサイトを活用する
口コミサイトで社員の声を調べると、プライム案件の実態が分かります。
実際に働いている社員の口コミは、企業が持っている案件の特徴や働きやすさを知るための貴重な情報です。企業の公式発表だけではわからないリアルな声が聞けます。

画像出典:エンゲージ
上記は、転職口コミサイト「エンゲージ」内のSCSK株式会社の口コミの一部です。上記には「プライム案件が多く、マネジメント力をつけるにはいいと思う」と記載がありますよね。
口コミサイトは、企業選びの重要な判断材料になります。
面接や説明会で直接取引の割合を質問する
面接や説明会では、プライム案件や直接取引の割合について積極的に質問しましょう。
直接聞くことで、企業が持つ案件の内容をより詳しく知ることができます。言葉の端々に本音が出るため、求人情報だけではわからない情報を得られます。

面接や説明会は、プライム案件の多さを確認するための大切な場です。
特定の業界に強みを持つ企業を探す
特定の業界に特化しているSES企業は、プライム案件を持つ可能性が高いです。
業界に特化している企業は、専門知識や実績が評価され、直接取引につながりやすいからです。
たとえば、金融業界に強いSES企業は、銀行や保険会社から直接システム開発を依頼されることが多いです。同じ業界の案件が増えるため、さらに信頼されるようになります。
特定の業界に特化している企業を探すことは、プライム案件を見つける近道です。
技術ブログやセミナー実績をチェックする
技術ブログやセミナー実績を確認すると、信頼されているSES企業を見つけやすくなります。
技術情報を積極的に発信している企業は、クライアントや業界からの評価が高く、プライム案件を獲得しやすい傾向にあります。

画像出典:SCSK株式会社「sysdig」
上記はSCSK株式会社の技術ブログです。技術ブログを運営することで、クライアントや求人応募者が社内のエンジニアをイメージしやすくなるわけです。
技術発信やセミナー実績のある企業は、プライム案件を持つ可能性が高いです。
まとめ
プライム案件は、SESエンジニアにとってスキルアップや高収入、安定した働き方を実現する大きなチャンスです。直接取引ならではの裁量ややりがいが得られる一方、参画にはスキルや経験が求められることもあります。
この記事で紹介したポイントを参考に、自分に合った企業や案件を見つけ、理想のキャリアを築きましょう。
まずは一歩踏み出し、プライム案件に挑戦してみてください!
ちなみにプライム案件に強い企業の探し方と、ホワイトSES企業の探し方は似ています。
ホワイトなSES企業の見分け方も参考にしてください。