インフラエンジニアライフ

未経験でインフラエンジニアを目指すのはやめとけ【現役SEが解説】

2024年8月7日

インフラエンジニアやめとけ

 

こんな方におすすめ

  • 未経験だけどインフレエンジニアを目指したい
  • 未経験からでもインフラエンジニアとしてやっていけるか不安
  • やめとけと言われているけど本当?

この記事では、インフラエンジニアのデメリットと、数年働いて感じたメリットもお伝えします。

芯
私はインフラエンジニアに未経験からキャリアチェンジしました。幸いなことにやめるつもりはなく、楽しくやっています。

ただし、インフラエンジニアには辛い部分があるのも事実。

記事前半ではインフラエンジニアはやめとけと言われる理由について解説をし、後半ではおすすめする理由を解説します。

インフラエンジニアがやめとけと言われる理由

未経験の方がインフラエンジニアについて調べていると、ネガティブな情報を見つけることもあるかもしれません。

ネガティブに受け取って仕事をしているかどうかは個人差がありますが、職業選択の参考材料として知っておいて損はないでしょう。インフラエンジニアになって後悔したことでもお話ししましたが、しんどい部分があるのも事実です。

下記は、私が実際に就業していて感じるネガティブな理由です。

やめた方が良い理由

一つずつ解説します。

プレッシャーがかかる

インフラエンジニアはキツいですでもお話ししましたが、インフラエンジニアはプレッシャーのかかる仕事です。

ITインフラは24時間365日稼働しているのが当たり前です。定期メンテナンスやバージョンアップなどの作業も、問題なく作業終了するのが当たり前です。

しかし、ITインフラのミスはインフラの信頼性に影響します。信頼性とはインフラが正常に稼働している時間だと思ってください。

インフラが使えない時間というのは、クライアントからすると機会損失の時間です。本来であれば計上できる売上が、インフラが止まってしまったせいで、計上できなくなるかもしれません。

✅数分の障害でも報告義務がある

たった10分の障害でも、クライアントに原因と解決策などを説明しなければなりません。障害の時間が数時間,数日にもなると,報告書などを求められ、結果的に業務量が増えてしまいます。

このように一つのミスで、不必要な業務が増える可能性もあるので、インフラエンジニアの業務は何よりも正確性が求められるのです。たとえ新人であってもミスをしてはいけないので、プレッシャーのかかりやすい職種だと言えるでしょう。

不健康になりやすい

夜勤業務のあるインフラエンジニアに限った話ですが、他の職種と比較すると不健康になりやすいかもしれません。

なぜかというと、日勤と夜勤を交互に行っていると、自律神経が乱れ始めるからです。自律神経が乱れると、身体にあらゆる不調が出始めます。

芯
私は2年間、夜勤シフトの業務に携わっていました。自律神経が乱れたせいで、日常的に集中力の低下を感じていました。

食事も深夜帯で食べることも多いので、肥満体型の人も多かったですね。特に年齢が中年になると、もろに健康診断で再検査の指示を受けやすくなります。

自ら運動や食事管理をしないと、ほぼ間違いなく太るでしょう。

手順書が古い

過去の現場で手順書が古かったせいで、アクシデント解決まで時間がかかったことが何度もありました。

手順書が古い原因は担当が固定されていなかったり、引き継ぎが出来ておらず情報共有されていなかったりなどですね。

中には10年前から更新されていないような手順書も存在していて、内容の信頼性に欠けるような手順書もありました。

たとえば、

・クライアントの担当者名
・連絡先
・住所
・ネットワーク構成図

などが最新verに更新されておらず、対応に苦慮したこともありましたね。

Excelファイルの更新日時を見ると「2015年」とあり、

芯
この手順書は信用していいのか?

と疑念を持ちながら、仕事していました。

手順書の場所が分からない

全ての手順書は電子化されていて、ExcelやPDFファイルとして保管しています。手順書の設置場所は階層化されていますが、探したい情報の手順書の格納場所が分からないことは頻繁にありましたね。

たとえば、クライアントAの監視アドレスを調べたい時に、格納場所が分からないので、

芯
クライアントAの監視アドレスが書かれた手順書でどこにありますか?

と、よく上司に聞いていました。

なので、自分がわかるように手順書の格納場所を整理したりなどの工夫が必要になり、正直面倒だなと思ってました。

手順書が不親切

手順書を見れば、未経験の業務でも遂行できるかというと、そうではありません。手順書があったとしても、独力で出来ない場合も多々あります。

なぜかというと、業務内容によって前提の知識が必要だからです。手順書に記載されている手順には、

・1~10まで記載している手順書
・1~3は割愛し、4~9まで記載している手順書

など、網羅している範囲は手順書によってバラバラなのです。

特に現場に配属されたてのときは1~3の基礎知識がないため、手順書を見ても独力で遂行するのは難しいケースも多く、何もできずに1日が終わってしまうなんてことも起きます。

本来は1~3の基礎知識習得の研修期間を設けるのが理想ですが、現場レベルではそんな時間を作る余裕もなく、初日からOJTで実践しながら覚えるという現場が多いと思います。

勉強を継続しなければならない

インフラエンジニアに限らずエンジニア全般に言えることですが、エンジニアとして生き残り続けるには継続した勉強が必要です。

なぜなら、ITは日進月歩の世界だからですね。トレンドの移り変わりが激しいので、新しい技術や知識のキャッチアップは必要不可欠です。

日々の業務のみで新たな知識を覚えることができれば最高ですが、そんな天才はごく一握りしかいません。ほとんどのエンジニアはプライベートの時間を犠牲にして、勉強しています。

エンジニアを辞めるまでずっと勉強し続けなければならないので、勉強することに強い抵抗感がある人は、インフラエンジニアになるのをやめた方がいいかもしれません。

緊急対応がある

インフラエンジニアの宿命ですが、緊急対応が必要になることもあります。インフラは24時間365日稼働しているので,トラブルが発生すると速やかに対応しなければなりません。

基本的にはリアルタイムで業務中の人員で対応しますが、それらのメンバーで対応できない場合は、上席にエスカレーション(相談)します。

携帯当番というものがあり、当番の日は障害対応できるように自宅で待機しなければなりません。待機手当が出ない現場もあり、正直面倒ですね。

裏方の仕事のためイメージしづらい

インフラエンジニアは裏方で基盤を支える仕事です。エンジニアと聞くとアプリ開発などのイメージが先行しているので、職種の印象自体は良いと思います。

しかし、インフラエンジニアとなると具体的に何をしているのかイメージしづらく、業界外の人に説明するのは一苦労ですね。

私の両親や友人、恋人もITインフラに全く関係のない仕事をしているので、私の仕事の話をしても

「よくわからないけど、技術的な仕事してるんだね」

と言われます(笑)

インフラエンジニアは社会貢献度の高い仕事ですが、世間的にそのようなイメージは無く、実態とイメージに乖離がある職種だと思います。

表立って目立ちたい人は、開発系エンジニアを目指しましょう。インフラエンジニアと開発エンジニア、どっちが自分に合うかをご覧ください。

インフラエンジニアの良いところ

ここまでネガティブな話をしてきましたが、インフラエンジニアのポジティブな部分も説明したいと思います。別記事では、さらに詳しく最強な理由を書いています。

私が実際に働く中で感じるポジティブな側面は以下の通りです。

・サービス残業が無い
・夜勤手当が付く
・仮眠中も給料が発生する
・仕事に誇りを持てる
・非常に安定している

一つずつ解説します。

サービス残業がほぼ無い

インフラエンジニアはサービス残業がほぼありません。私の会社は一切ありませんが、全ての会社を把握してるわけではないので、「ほぼ」としました。

なぜかというと、ITインフラを取り扱う会社は大手を中心として子会社や孫会社も多く、大手企業ほど労務管理を徹底しているからです。

ITインフラは

・大企業が市場を支配している
・高い初期投資が必要

という背景もあって、新規参入の少ない領域です。

大手ほどホワイトな理由

36協定を代表とする労務管理は、大手企業ほど徹底して守ります。労働基準監督署の監視も厳しく、世間の監視もありますから。

今どき、大手企業が従業員に対してブラックな環境で働かせてしまうと、ネガティブな情報はすぐにSNSで拡散されるので、会社の規模が大きくなればなるほど、労務管理を怠った際のリスクが高くなります。

大企業はリスクを回避するために自社だけでなく、子会社などの関係会社にも同じように労務管理を徹底させます。結果的にサービス残業がほぼ無くなるというわけですね。

昔はサービス残業が横行していたそうですが、現在はSNSの普及などもあり、インフラエンジニアはホワイトな環境で働けるようになりました。

日本の労働環境は少しずつ良くなっていますが、特にインフラエンジニアは時代の恩恵を受けている職種だなと感じます。

夜勤手当が付く

インフラエンジニアの現場によって夜勤があります。そのため、夜勤手当が付くことで収入アップが見込めます。

法律上、22時〜翌朝5時までは25%アップの給与になります。下流工程は上流工程よりも収入が低いですが、夜勤は多めの現場が多いので、収入が低いうちの夜勤手当は有難いですね。

また、未経験からでも3年以内に多くのエンジニアが年収500万に達します。年齢関係なく、早いタイミングで日本の平均年収以上の稼ぎを得れるのは、良い所だと思います。

夜勤については、インフラエンジニアにおける夜勤のメリットインフラエンジニアの夜勤頻度にて詳しくお話ししています。

仮眠中も給料が発生する

夜勤(24時間365日稼働の現場)がある現場はシフト制になります。2交代もしくは3交代のどちらかですが、2交代の現場であればほぼ仮眠休憩がもらえるはずです。

私が経験した夜勤は17時〜翌朝9時の勤務でした。だから、夜勤の時は3〜6時間くらいの仮眠休憩がありました。仮眠休憩時は有給だったので、寝ながらお金を稼ぐという最高の環境です。

私の場合は恵まれていたかもしれませんが、多くの現場では仮眠休憩時は有給らしいので、これもインフラエンジニアの大きな強みの一つだと思います。

仕事に誇りを持てる

誇りを持って仕事をしているインフラエンジニアは多いと思います。なぜなら、ITインフラは電気や水道と同じくらい重要な社会基盤になっているからです。

インフラエンジニアがいなくなったら?

極端な話ですが、急にインフラエンジニアがこの世から消えてしまったら、この世はどうなると思いますか?

結論、世界経済は崩壊します。インフラエンジニアというのは家を支える柱みたいな存在だからです。

グローバルな世界を家だとすると、柱にあたるのはITインフラです。ITインフラがあるからこそ、人や物などが国境を超えてやり取りできるのです。

柱が無くなると、家は崩壊しますよね。

・誰が通信障害を治すのか?
・誰が新たなネットワークを作るのか?

ほんの一例ですが、答えはインフラエンジニアですよね。

インフラエンジニアは花形職ではないですが、理想的な黒子です。

非常に安定している

ITインフラを扱うインフラエンジニアは,数ある職業の中でも非常に安定しています。安定するどころか、需要は高まり続けています。

2020年の某ウイルス騒動で飲食、観光業界などは大打撃を受けましたよね。転職を余儀なくされた人や自営業を営んでいて、資金繰りは上手くいかずに廃業した人などいたと思います。

ただ、ITインフラ業界はテレワーク推奨の空気感も追い風となり、右肩上がりとなりました。今後もこの流れは当分続くと思われます。

安定していて、需要が高まり続けているので、平均年収も右肩上がりです。詳しくは、年収については、インフラエンジニアの年収の上げ方で詳しくお話ししています。

結論、インフラエンジニアはおすすめ

以上が、私が就業して感じたインフラエンジニアのネガティブな所とポジティブな所です。

ネガティブな理由も説明しましたが,総じてインフラエンジニアはおすすめです。未経験でもチャンスがあるし、業界も非常に安定しているし、社会貢献度も高いし、平均年収もそこそこ高いです。

未経験からの転職も難しくありません。ぶっちゃけ楽だなと感じる部分もありますね。

多くの会社がホワイトだと思うし、緊急トラブルが発生すれば休日出勤はあるかもしれませんが、その代わりに平日に代休を取れるので問題ありません。

継続した勉強は必要になりますが、逆に言えば勉強を継続さえすれば、スキルと知識が向上していき、年収も比例して上がるでしょう。

各インフラエンジニアによって上流工程に何年で行けるかは異なりますが、努力が確実に実を結ぶ世界です。

いわば、努力が報われやすい職種ということです。プロスポーツマンみたいに、努力が大前提にあって、才能の良し悪しで決まるような職種ではありません。

多少の向き不向きはありますが、勉強と現場経験を積んでいけば、多くの人が一流になれます。

現役インフラエンジニアで元人事担当が忖度抜きでおすすめする転職エージェント

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  • この記事を書いた人
芯

2022年、営業からインフラエンジニアへ転職。ホワイトSES 企業にて就業中。大手通信会社のネットワーク回線の運用監視保守や売上高1兆円超え企業の業務システムの運用保守を経験。ネットワーク寄りのインフラエンジニアです。保有資格:CCNA。CCNP勉強中

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