この記事で解決出来る疑問や悩み
- SES企業に入るのはやめとけ?
- SESで働く人の声を知りたい
- Sierの方が良いんでしょ?
この記事では、SES業界で直面するリアルな課題と、それでも続ける価値があるのかを徹底的に掘り下げます。

参考までに、私が働いているSES企業の特徴を記載しておきます。
上記のようなSES企業は、珍しいわけではありません。
この記事では、SES全般に関係するデメリットを解説します。それらを理解頂いた上で、ホワイトSES企業の特徴についても解説します。
ホワイトSES企業で働くことできれば、充実した人生を送ることができるので、ぜひ最後までご覧下さい。
目次
SES企業に就職するのはやめとけと言われる理由15選
SES企業への就職を検討している方も多いと思いますが、やめとけと言われる理由があります。SES企業は、派遣先に左右される働き方やキャリア形成における不安定さが指摘されがちです。
この項目では、SES企業への就職をやめとけと言われる理由を15点にまとめました。
前提として、やめとけと言われる理由には個人差があります。SES企業で働いたうえで、人によって感じ方や受け取り方はそれぞれです。
リスクを理解し、納得のいくキャリア選択をするための参考にしていただければと思います。
便宜上、具体例として紹介している知人はAから昇順にしています。
キャリアの成長が制限される
SES企業に就職すると、キャリアの成長が制限される可能性が高いです。
SES企業では、希望するスキルや経験を積む機会が限られています。多くの場合、クライアント先で働くため、仕事の内容やスキルアップのトレーニングを自分でコントロールするのが難しいのが、やめとけと言われる理由です。
厚生労働省の調査では、SES業界の技術者の約60%が「スキルアップの機会が少ない」と感じていると報告されています。

自分のキャリアをしっかりと成長させたい場合、SES企業はあまり適していないかもしれません。
もし、あなたがインフラエンジニアなら、インフラエンジニアのキャリアパスをSESで築く方法を参考にしてみるのもいいかもしれません。
安定性の欠如
SES企業で働くと、仕事の安定性が低くなる可能性があります。
SES企業では、プロジェクトが終わると次の仕事まで待機期間が発生し、給与が減ったり解雇のリスクもあります。エンジニアtypeの調査では、技術者の約35.4%が「将来の安定性に不安を感じている」と答えています。
画像出典:エンジニアtype

安定した収入や仕事環境を求めるなら、SES企業は避けるべきですね。
給与と福利厚生のギャップ
SES企業では、正社員と比べて給与や福利厚生の面で不利になることが多いです。
SES企業はクライアント先で働くため、福利厚生や給与制度が一般企業より弱いことが多いです。有給休暇が取りにくかったり、ボーナスが少ないなどのデメリットがあるのが、やめとけと言われる理由です。
ユニゾンキャリアの調査では、SES企業の技術者の平均年収は一般的なIT企業より約10%低いとされています。
結論から言うと、クライアント先で常駐して働くSESエンジニアの平均年収は「約350〜400万円」です。
公式のデータはありませんが、弊社の求人情報などから計算した、未経験からSES企業に入社した際の1年目の年収は「250〜320万円」です。
経験年数と年収の相関関係
・1年目:250~320万円
・3年目:300~350万円
・5年目:350~400万円
・7年目:400~450万円
・10年目:450~500万円経験を積んでいくことで年収は上がっていきますが、年収の推移は他職種と比較しても上がりづらい傾向があります。
SESはITエンジニアのキャリアの第一歩として、位置づける方が多く、平均年齢を考えても3〜5年の経験年数で平均年収を考えるのが良いです。
そのため、平均年収を算出すると、「約350〜400万円」と言えるでしょう。
引用元:ユニゾンキャリア

給与や福利厚生を重視するなら、SES企業は魅力的な選択肢ではないかもしれません。
クライアント先での孤立感
SES企業では、クライアント先で孤立感を感じることが多くなります。
SES企業の社員は、クライアント先で自社の同僚と一緒に働くことが少なく、異なる文化に馴染むのが難しい場合があります。また、サポートが少なく、孤独を感じやすい環境です。ウズウズカレッジの調査では、SES企業の離職率は10~30%ほどとされており、孤立感が離職率に影響を与えている可能性があります。

職場での人間関係を大切にしたい人にとって、SES企業はチャレンジが多い環境かもしれません。
1人常駐に対する対策としては、SESの1人常駐のリスクを軽減する5つの工夫にて、詳しくお話ししています。
成長機会の不足
SES企業では、成長機会が限られていることが多いです。
SES企業ではトレーニングや研修が少なく、自己学習が求められることが多いです。クライアント先の仕事も技術的な挑戦が少なく、成長が遅れる場合があるのが、やめとけと言われる理由です。
日本のIT業界でも、SES企業の技術研修の充実度は平均以下と報告されています。

積極的に成長したい人には、SES企業は成長の機会が限られているかもしれません。
教育サポートが乏しい
SES企業では教育サポートが乏しく、自分でスキルアップを図る必要があることが多いです。
SES企業はクライアント先で働くことが多く、自社の教育や研修が充実していないことが一般的です。そのため、社員は自己学習に頼る必要があります。調査では、SES企業の技術者の約70%が「教育サポートが不十分」と感じていると報告されています。
能動的にスキルを習得していかないと、SES現場をスキル不足で退場するケースもあります。

新しいスキルを効率的に学びたい場合、SES企業は教育サポートが乏しいため、他の選択肢を検討するべきです。
プロジェクトの選択権がない
SES企業では、プロジェクトの選択権がないことが多く、自分の希望に沿わない仕事に就く可能性があります。
いわゆる、SESの案件ガチャですね。
SES企業では、社員がクライアント先に派遣されるため、どのプロジェクトに配属されるかは会社やクライアントの都合によることがほとんどなのが、やめとけと言われる理由です。
自分の希望する技術や分野に関わることが難しい場合が多く、キャリアの方向性に不安を感じることもあります。

自分のキャリアビジョンに合った仕事をしたい場合、プロジェクトの選択権がないSES企業は適さないかもしれません。
ただ、会社によっては案件を断ることはできますし、キャリアプランに影響しない断り方もあります。詳しくは、SES案件を断る方法をご覧ください。
短期契約のリスク
SES企業では、短期契約のリスクが伴うため、仕事の安定性に欠けることがあります。
SES企業の契約形態はプロジェクトごとに決まることが多く、短期間で契約が終了することもあります。そのため、次のプロジェクトが決まるまでの待機期間が発生し、その間は給与が減る、または全く支払われないケースもあります。

安定した収入を求める人にとって、短期契約のリスクがあるSES企業は避けるべきでしょう。
スキルの偏り
SES企業での仕事は、特定のスキルに偏りがちで、広範な技術力を身につけるのが難しいです。
SES企業で働く場合、クライアントのニーズに応じた特定の作業を繰り返すことが多いため、幅広いスキルセットを習得する機会が限られしまうのが、やめとけと言われる理由です。
その結果、技術者としての成長が偏り、他の職場に転職する際に不利になることがあります。

さまざまな技術に挑戦したい人には、現場を変えてもらうのが一番です。詳しくは、SESで現場を変えたい理由と実現方法をご覧ください。
技術者としての評価が低い
SES企業で働く技術者は、業界全体での評価が低くなることがあります。
SES業界では、技術力よりも「派遣先の要望に応じた柔軟性」や「コストパフォーマンス」が重視される傾向があり、技術者としての実力が評価されにくい場合があります。また、一部の企業では、SES業界の仕事を「技術者としてのキャリアとは見なさない」という考え方もあります。

技術力をしっかりと評価されたい人にとって、SES企業での経験が必ずしもプラスにはならない可能性があります。
キャリアチェンジの難しさ
SES企業での経験は、他の分野へのキャリアチェンジが難しいことがあります。
SES企業では、クライアントのニーズに合わせた業務が多く、他業界や職種への転職時に必要なスキルや経験が不足することがあります。
また、SESでの経験が特定分野に偏りがちで、幅広いスキルが求められるキャリアチェンジに不利になることがあるのが、やめとけと言われる理由です。

将来的にキャリアチェンジを視野に入れている場合、SES企業での経験が必ずしも有利にならないことを考慮する必要があります。
モチベーションの低下
SES企業で働くと、モチベーションが低下するリスクがあります。
SES企業ではクライアント先での仕事が多く、自分がやりたい仕事や挑戦したい分野に関わる機会が少ないため、やりがいや達成感を得にくいことがあります。また、プロジェクトが短期間で終了することが多く、長期的な目標を持ちにくい環境がモチベーションの低下を招きます。

仕事に対する情熱を持ち続けたい人には、SES企業の環境はモチベーションを維持するのが難しいかもしれません。
社内のサポート体制が薄い
SES企業では社内のサポート体制が薄く、困ったときに頼れる人が少ないことがあります。
SES企業の社員はクライアント先で働くことが多く、社内の同僚や上司とのコミュニケーションが少なくなりがちです。そのため、問題発生時に相談できる相手が少なく、孤独を感じやすい環境です。
また、社内のサポート体制が整っていないため、キャリアのアドバイスやメンタルサポートが不十分なこともよくあるのが、やめとけと言われる理由です。

安心して働ける環境を求めるなら、SES企業のサポート体制の薄さはデメリットとなるかもしれません。
残業や労働条件の不透明さ
SES企業では残業や労働条件が不透明な場合があり、労働環境が厳しいことがあります。
SES企業では、クライアントの指示に従うため、労働時間や業務内容が不明確になることがあります。クライアントの要求により残業が増え、労働条件が過酷になることもあります。また、契約内容と実際の業務が異なり、労働環境に不満を感じることが多いです。

労働条件にこだわりたい人には、SES企業の不透明な労働環境は大きな課題となる可能性があります。
契約終了後の不安
SES企業では、契約が終了した後の不安が常につきまといます。
SES企業ではプロジェクトごとに契約が結ばれるため、契約終了後は次の仕事が見つかるまで待機期間が発生することがあります。この期間中は給与が支払われないこともあり、経済的な不安が大きくなるのが、やめとけと言われる理由です。
また、長期間仕事が見つからない場合、最悪の場合解雇のリスクもあります。

安定した生活を維持したい人には、契約終了後の不安が大きいSES企業は避けるべきです。
筆者は運がよかったです
私のインフラエンジニアのキャリアスタートはとあるSES企業でした。ただ、今振り返っても、運がよかっただけだと感じています。
この記事の冒頭で紹介した画像を、もう一度載せますね。
これは、私が勤める会社の特徴の一部です。これだけでも、うらやましい環境だと感じる人もいると思います。
私はこの会社に
・エントリーシート
・適性検査
・SPI検査
・一次面接
・二次面接
を経て、内定をいただきました。
当時はエンジニア業界の知識もなく、今みたいにホワイトSES企業の見分け方も知りませんでした。
入社した後、業界を俯瞰的に見て、自分が恵まれた環境で働いていることに気づきました。
だからこそ、SESだからと言って、最初から選択肢をして外すのはもったいないと考えています。
ホワイトSES企業に入社できれば、充実した人生を送れるのです。
まとめ
「SESやめとけ」という意見は、SES企業に特有のリスクやデメリットを指摘するものが多く、たとえばプロジェクト選択権がない、短期契約のリスク、スキルの偏りなどが挙げられます。これらの懸念は、確かにSES業界に存在する課題です。特に、技術者としての成長が制限される可能性や、キャリアチェンジが難しいと感じる方もいるでしょう。
しかし、すべてのSES企業が悪いわけではありません。企業によっては、教育・研修体制が充実しており、多様なプロジェクトに携わるチャンスが与えられる場合もあります。また、クライアント先で得られる経験や人脈は、他の企業では得られない貴重な財産です。適切な企業選びと自己研鑽を怠らなければ、SES企業でも成功を収めることは可能です。
自分のキャリアビジョンをしっかり持ち、情報収集と準備を重ねれば、SES企業でのキャリアも十分に選択肢に入るでしょう。大切なのは、自分にとっての「最適な選択」を見つけることです。迷ったときは、一歩踏み出して挑戦してみる価値があるはずです。
万が一、劣悪なSES現場に入り抜け出したい時は、SES退場したい時に知るべき7つのステップを参考にしてください。